【精神科訪問看護】で必要なGAF尺度とは?

2020年(令和2年)の診療報酬改定で精神科訪問看護療養費の見直しがありましたね。通常の訪問看護を行なっている訪問看護ステーションでも、精神科訪問看護を行うケースが3割近くあります。

精神科の病棟で働いていたナースでさえ、GAF尺度について知らないことも多いのが実情です。

この記事では、精神科訪問看護に必須になったGAF尺度について紹介します。

GAF尺度の呼び方

ギャフ、ガフ、ジーエーエフなど呼ばれます。看護師はギャフと呼んでいることが多いです。

GAF尺度ではなくGAFスケールと呼ぶこともありますが、この記事ではGAF尺度で統一して説明していきます。

ナースX

 

GAF尺度とは心理的・社会的・職業的機能スコアのことで1から100までの数字で表記されます。

症状の重症度と機能に関するものの2点から構成されています。

GAF尺度の点数の付け方

GAF尺度では数字が大きいほど精神面で健康、50点が中央値と言われています。

  • 71点以上が健康な状態
  • 70点以下だと何かしろ症状がある状態
  • 50は中央値
  • 40点以下は意思伝達などに欠陥がある状態
  • 30〜21点は自殺念慮があるような状態
  • 20〜11点では自分や他人を傷つけるような状態

になります。

10の位はGAF尺度の表を見て決めて、1の位は評価者が決めます。

評価をしていくにあたって、大切なポイントは利用者さんの生活のベースを知ることです。

そして、注意点として身体的な障がいや生活環境などにおける制限は含めずに評価すること。

参考 【在宅医療・訪問看護】令和2年度診療報厚労省

 

GAF尺度を評価する頻度と期間を決める

利用者毎に毎週⚫︎曜日に評価するなどと決めておき、毎月最初の訪問時にはGAF尺度の評価を記載しておく。

評価する際の注意点として社会機能の困難さが最も見られた場面を評価し、低い方の値をつけることです。また、評価する人によって値が変わってくるので同じ症例を複数で評価する演習をしておくのがベターです。

 

GAF尺度をどこに記載するのか?

訪問看護記録Ⅱ・精神科訪問看護報告書・明細書に記載します。

万が一、本人を訪問できずGAF尺度の評価ができない時はGAF色度の評価ができなかった事を記載すれば大丈夫です。

 

精神科訪問看護指示書

病院やクリニックでは精神科訪問看護指示書の発行は月に1回 300点算定可能で有効期限は1から6ヶ月です。

精神科訪問看護指示書をかけるのは、精神科医になります。精神科医は精神科以外の訪問看護指示書も記載できます。

通常の訪問看護との違いは本人の同意を得て訪問看護を行いますが、精神科訪問看護では本人もしくは家族の同意が必要です。家族の同意を得ることで家族への訪問看護も算定可能になる点です。精神科訪問看護で良くあるのが訪問に行っても本人と話ができない時があるので、家族に本人の状況を聞いて訪問することができるようになっています。

診療報酬制度におけるGAF尺度

精神科療養病棟入院料重症加算Ⅰ:60点(GAF30点以下)

精神科療養病棟入院料重症加算Ⅱ:30点(GAF40点以下)

まとめ

精神科訪問看護を行うにあたって大切なことは、利用者さんの生活スタイルやその人をまず知りGAF尺度で評価していくことです。在宅ケアでは利用者主体のケアになります。精神状況の悪化兆候を早期に発見して支援していきましょう!

 

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