長期間膀胱留置カテーテル留置している方のおしっこの管や袋が紫色や濃い青になっているのを見かけたことはありますか?
どうなっているのかな?って思ったことはありませんか?
何が原因なのか?
病名はあるのか?
疑問に思って調べて見てもなかなかこれだ!!という情報にたどり着かないことがありますよね。
この記事では高齢者施設でよく見かける
膀胱留置カテーテル留置中の患者さんのバッグが紫色になる現象について紹介します。
膀胱留置カテーテル留置中の患者さんのバッグが紫色になる現象を
- 紫尿症候群
- 紫色蓄尿バッグ症候群
- 紫色採尿バッグ症候群
と呼びます。
英語では
PUBS:Purple Urine Bag Syndrome
と言われています。
ナースX
目次
PUBS(紫尿症候群)になる原因
- 便秘
- 水分不足
匂いはきついです…。
ナースX
尿の性状:アルカリ性
尿の色:黄色
紫尿症候群になった際の対処方法
じゃあ、おしっこの管や袋が紫になった時の対処方法ってあるの?
って思いますよね?
対処方法は3つ
- (可能であれば)膀胱留置カテーテルの留置期間を短くする
- 便秘の予防
- 尿路感染を起こしていないか確認
ナースX
膀胱留置カテーテルの留置中の
- 女性
- 寝たきり
の人に多いとされていますが男性の方が多いという文献もあります。
PUBSの発見者たち
1978年Barlow(バーロー)が発見。同年Payne(ペーン), Sammonds(サモンズ)たちも同様な報告。
1988年Deallerが一部の菌種が持っているサルファターゼ(Sulfatase):硫酸エステル加水分解酵素によって尿中のインジカンがインジゴ色素に変化しバッグに色がつくことを解明。
尿は黄色なのにどうして紫色になるのか?
2つの色素が鍵
インジゴ:青
インディルビン:赤
青+赤=紫色
なので紫色になるんです。
この2つの色素の性質
- 水には解けない
- プラスチック・ポリマーに溶け込む(プラスチック製のハルンバックやカテーテルに色がつく)
インジゴ:青
インディルビン:赤
この2つの色素によって
この2つの色素の比率によって色が微妙に変化します。
PUBSでどうして便秘の改善が必要なのか?
硫酸抱合とは硫酸が異物とひっつくこと(薬学)
便秘症では腸内細菌が増殖。インジカンの量も増え、インジカンの濃度が高くなる。
ナースX
ケース1:慢性便秘症を改善したことにより紫尿症候群(PUBS)が改善したケース
高齢者施設に入居中の男性(90)1年前に膀胱留置カテーテル留置。
長期留置が必要
ADL:歩行器歩行
私が訪問していた時の状況は…
- 紫尿症候群
- 膀胱留置カテーテルの交換頻度:2週間に1回
- 慢性便秘症
- 認知症
便秘解消とともにバッグに着色する色が薄くなり、尿の匂いもやや改善。
PUBSの治療はあるの?
抗生剤投与で改善されることもあるが、抗生剤投与後も着色が変わることはないケースも報告されている。
そのため、着色に関して治療は必要ないが原因になっている
慢性便秘症の改善・カテーテルの長期留置・細菌感染・寝たきりなどを予防することが重要になります。
まとめ
PUBSだからと言って急いで受診する必要はないので様子をみてOK!
原因になっている、慢性便秘症の改善・カテーテルの長期留置・細菌感染・寝たきりなどを予防することが重要。